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日本の礼儀作法

ごきげんよう。

 

「美しい動作には型がある」

決まった動作を決められた通りにこなすことは、美しい動作の基本である。

 

例えば、能楽の型付け、歌舞伎役者の見得を切る動作、力士の四股を踏む動作などは、「型」という伝統的に決められた動作で、その型にはまった動作が実に美しい。

 

型は先人たちが何百年も研究と改良を積み上げてきた結果であり、一人の浅はかな経験で完成できるものはない。伝統芸能の所作が完成されたたものであるのは、型を重んじてきたからである。

 

しっかりと型を持った人が敢えて型を外すと「型破り」といって肯定されるが、型を持たない人が型を外すとただの「型なし」となってしまう。

 

型通りの振る舞いができる人は「常識ある人」として信頼される。

 

「礼に始まり礼に終わる」表現されるように、日本には「礼」を重んじる風習がある。

 

○礼の型について、礼は相手に対して敬意を表す動作で、次の4つの場合がある。

①出会いと別れ際の挨拶

②御礼や謝罪などで相手に礼を尽くすとき

③部屋の入退出時

④各種動作の前後

 

○5種類の「礼」の動作を使い分ける

①小揖(会釈)…15度の礼

②敬礼…30度の礼

③深揖、浅い平伏(最敬礼)…45度の礼

④深い平伏、磬折…60度の礼

⑤拝…90度の礼

 

「日本の礼儀作法」より抜粋 竹田恒泰著

 

私たちは、1日に何回「礼」をするだろう。

それも何気なく「礼」をしている。

何となく「礼」をするのではなく、一つひとつの所作を気持ちを込めてしているだろうか?

 

たかが「礼」、されど「礼」という気持ちを込めた「礼」を心掛けたいものである。その毎日の動作が血となり肉となり、自分自身のものになるのであろう。

 

それが、やがて「信頼される人」となるのであろう。


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